マグニチュード８．８
３月１１日 午後３時半
TV画面の地震速報を食い入るように見入っていたかみさんが声を上げる、
「あ、地震？」
見上げると蛍光灯が大きく揺れている。
え！仙台の地震でここ名古屋がこんなに揺れるの？
そう、覚えがある、
夜明けの地震に飛び起きたことがあった、
淡路阪神大地震。
あわてて玄関の戸を開ける。
押入れに片付けたばかりのダウンジャケットを取り出して着る。
こんなとき、用心はしすぎたほうがいい、
この建物は築４０年、相生山を削って均した盛り土の端っこに立っている。
いま東海地震が同時に起きたら、ひとたまりもない。
TV画面に釘付けになること１時間、
押し寄せる波に車が、船が、家が流される。
なんということだ、こんな実況中継がかってあっただろうか。
大船渡港に押し寄せる津波の実況を見ながら、
コーラスの練習に出かける。
３時間の練習を終わって、車に乗って驚いた、
『埼玉県の、マルマルさん、ご無事ですか、ご連絡ください』
FMから流れるのは紛れもなく「尋ね人」放送だ。
帰宅するとTVの前でかみさんが叫んでいる、
「あれぇ、みんな流れてく！」
どこの町だろう、平野を走るものすごい水がすべてを押し流して走っている。
５時間経って事態はますます深刻だ。
津波警報が、どんどんエスカレートして、
１０メートルを超える予想がずらり並んでいる。
日本列島反対側の輪島まで・・・
日本中ぐるりと津波に取り巻かれている・・・・・
「原子力発電所の３キロ以内に、避難命令が出ました」
「石油コンビナートで火災発生、隣接の石油工場に次々火が燃え移っています」
「海岸に遺体が多数打ち寄せられているのが見つかりました」
史上最大の震度
リアルタイムで全国に、全世界に伝えられる津波の実況、
いずれも、歴史に残る出来事になるだろう、
どうか、どうか 被害の少なからんことを、
犠牲者のすくなからんことを・・・
阪神大震災の朝出勤して朝礼の後
「この様子だと犠牲者が２００人を超えるかもしれないなぁ」
というと、周りの皆が、まさかという目でこちらを見た。
伊勢湾台風で、何であんなにたくさんの人が亡くなったの、と聞かれ、
「ラワンの丸太が暴れまわったからだよ」
というと、たいていの人はきょとんとした顔をする。
いま１１時半、
TV画面に「死者２００人以上、不明数百人」とある。
暗い画面に、流れる車、傾いた船、水に浮かぶ家々、燃え上がる炎
カメラが非情に捕らえたこの先に地獄がある。
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電話がつながりにくい。
NHKの安否情報、TEL０３−５４５２−８８００
０５０−３３６９−９６８０
名古屋の病院から医療救助斑が出発
名古屋の消防署から救助隊が出発した、と。
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