いつかあの頂へ

bufoの日記

捻駕籠席(ねじかごのせき)

bufo2005-12-15


 12月の「近山スクール」は「昭和美術館・南山寿荘」で。
 講師は安井 清先生
 最終講義に相応しく、最高の陣容である。


 「いろんな材を寄せ集めて造るから、数奇屋という・・・」
 安井先生のお話を伺うのは、「如庵」についで二回目だが、いつも「日本建築」にかける情熱がほとばしるような語り口と、われわれ素人が相手でも、にこやかにこたえてくださるお心のやさしさに感動する。


 先生の講義の後4グループに別れ、お茶をいただいて、いよいよ「捻駕籠席」へ。
階段を登ると躙口である。
1832年、熱田尾頭坂(熱田さんの北西)にこの席が建てられた頃、あたりは当時の尾張藩の重役たちの別邸が立ち並ぶ別荘地だったらしい。
堀川を船で下り、川端の斜面に建つ母屋(今の玄関)からこの階段を登ったのだろうか。


 身をかがめてはいる。
内部は三っつに分かれている。床を背に貴賓の席。
相向かいに相伴席。
炉のある点前座。あわせて六畳ぐらいか。


 それぞれ三っつの、天井、柱の意匠、材料が違う。「こんな風に、いろんな材を寄せ集めてるから、数奇屋というんですね」と安井先生。


 お庭を一回りした後、美術館の展示を拝見。
一級品がずらりと並んでいる。
 魯山人、雅邦、仁清、柿右衛門、石山切・・・・


 名古屋の宝物に触れた一日だった。
南山の丘に立ち並ぶお屋敷の間を歩いて駅に向かった。