武蔵野春愁
池袋発所沢行き準急で30分、清瀬に着く。
かつてお世話になった人の弔問の旅である。
義弟のアパートに旅装を解く。
南に鬱蒼とした雑木林、北の窓を開けると、広い河原が公園で土手には桜の古木。
夕べのつぼみが、今朝三分咲き。
ここは武蔵野、まさに春が燃えんとしている。
しでこぶし と さんしゅゆ
桜に先駆けて、春の訪れを告げる樹々
金山公園にて
ゆっくり散歩していると、小鳥の声がとりかこむ。
豊かな自然が、生き物を呼ぶ、人が集まる。
さぎはじっと小魚を待つ、
カメラマンたちは、かわせみの跳躍を狙う。
鉄橋は武蔵野線である。
屋台の準備も終わって、お兄さんたちが日暮れを待つ、
提灯に明かりがともれば、桜祭りの開幕だ。
花を追いて 逝きしひとあり 柳瀬川
橅峰
合掌
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