名古屋大学男声合唱団
古都の朝
きぬぎぬの別れをおしみつつ宿をあとにする。
都大路は吹雪である。
みなさんは古都の雪景色に魅かれて、バスに乗る。
われわれ二人は、わがままを言ってここでお別れ。
京都駅に着いて少し時間がある。
折角だからと、7階の『美術館・えき・KYOTO』へ。
『フランス近代絵画名作展』
マネ・モネ・シャガール・ピカソ・ロダン・キスリング・・・・
ルノワール、ゴッホ、セザンヌ、そしてフジタ・・・
思いがけず名作に触れたひと時ではあった。
12時
10分遅れのひかり700型に乗る。
名古屋に戻って、待ち焦がれた演奏会を聞こう!
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「メイダイダンセイ」はもうないんだよ、と衝撃の事実を聴かされたのはつい最近である。
10年ほど前「サンガクブ」がなくなった、と知ったときよりショックが大きい。
なんで、なんで。
なんで、俺の心のふるさとが、そんなにみんな消えちゃうの?
「名大男声」には1年しか在籍しなかったけれど、なんてったってわが人生の音楽の原点だ。
リズム、メロディー、ハーモニー・・・・
五線譜、おたまじゃくし、ト音記号・・・・
、
ウ・ボイ、ピエロピエレット、遥かな友に・・・・
可知さんや中井さんのタクトに引っ張られて生まれるハーモニー!
そう、なによりも50人の男たちがつむぎだすハーモニーの
なんというか、
重厚さ、ぶあつさ、奥行き、浮遊感、・・・心地よさ!
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2008年2月24日(日)
市民会館プルニエホール 2時開演
会館へ着いてみると、ロビーには何重もの人の輪が出来ていた。
大ホールの階段に並んでいるおニャン子何とかという演奏会のフアンたちとはちょっと年齢層が異なるが、それにしてもこの人波は想定外だ。
あきらめて会場へ入ると、一階はあらかた埋まっている。
念のためと、前の方にふた席ぐらい空いてないかと見てみると、なんと、最前列2列がまるまる空。誰も座っていない。
あわてて指揮台の後ろのかぶりつきに陣取る。やったぜ。
♪お・わ・り・の・の〜〜
♪ゆ・た・け・き・む・ね・に
♪ みどりあり〜
♪ ひかりあり〜
学生歌が聞こえて緞帳が上がる、かぶりつきに座った決断の正しさを確認、みんなの顔がじつによく見える。
ひとりひとりの顔を見つめる。50年前、一緒に歌った仲間を探して。
うん、いるいる、いるよいるよ!
やぁ、しばらく!
心の中で呼びかけるうちに、懐かしい歌の数々が始まった。
♪ 五木の子守唄
♪ おてもやん
♪ 牛追い唄 はBufoも大好きな唄だった。
『日本民謡集』は名古屋のOB
指揮の樅山さんには先日、市民の『第九』でご指導いただいた。
つづく『邦人作品集』は東京OB
蝶ネクタイをはずして、がらりとムードを変えたラフなスタイルの最後のステージは『愛唱曲集』
♪ 今若
♪ オンワード
♪ ステンチェン
♪ パリの若者のうた
Bufoにも懐かしい曲ばかり、つい唇が動いている。
♪ パリ若 の指揮は藤井さん
高校時代、そのころ巷に流行っていた「レコードコンサート」なるものを聴きにいくと、やさしく曲の解説をしてくれていたのが藤井制心さん、藤井さんのお父さんだった。
アンコールがこれまた懐かしい曲ばかり。
♪ Das Lied
♪ のぞみの島
指揮がなんと中井さん、松崎さん! 変わってないねぇ、うれしいねぇ。
最後は超満員の客席も一緒に「♪ さようなら みなさま」を 思いっきり歌い上げて終わった。
会場のプルニエホールが、青春の息吹と感動に包まれた2時間であった。
ありがとう! メイダイダンセイ!!
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