いつかあの頂へ

bufoの日記

スズメバチ

 夕方海の家に帰って、いつもの調子で徒長枝を刈りそろえるべく園芸ハサミを振り回していた。


いきなり不気味な唸り声と一緒に何かが体の周りを動き回った。


一瞬何が起きたのかわからなかった。


お盆にはかけらもなかった蜂の巣を、
ハサミの切っ先が思い切りつついたのだとのみ込むまでに5秒くらい過ぎた。


あわてて玄関に飛び込んで、戸を閉めたがもう遅かった。


へやにあがって「わぁ・・・ハチだぁ・・・」


と叫んだときに頭の周りを黒いものが飛び回っては首筋にぶつかってくる、


納戸を開けてキンチョールを取り出し、あたりかまわず吹きまくる。


硝子戸にぶつかって一匹が落ちた。


そいつに向かってなおも吹きかけながら、ふと半ズボンの中で何やら動き回っているのに気がついた、


太ももの周りをガサガサ動く、と、チくっとやられた。


ズボンを脱ぐや飛び出した奴にキンチョールを吹きかける。


この間3分も経っていない、あっという間の出来事だった。


腕に一か所、太ももに2か所、


みるみる赤くはれてくる。


昔山登りのとき、毒抜きの吸い取りスポイドを持参した事を思い出したが、


無論手元にない。


昨日ここへ来る途中で養蜂業者に立ち寄って蜂蜜を買い求めたことを思いだしたが、


とっさに電話番号がわからない。


かみさん、近所の家へ駆け込んで事情を話すと、


親切に「これをもっていってよくすり込みない」と瓶ごとくれたという。


「なにこれ」
ホウセンカの汁
たね子さんの自家製、毒消しにいいんだって」


必死になってすり込む。


藁にもすがる思いである。


その夜は戸を閉め切って、2度と玄関を出なかった。






















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