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菓子祭り
はて、紅葉を見んとて出発したのだが、例によって行き当たりばっ旅は、ハプニングつづきだった。
東京の姉を、紅葉と蕎麦と温泉の開田高原に案内しようというのが当初の目論見だったのだが、中津川の手前で「菓子祭り」の看板を見たとたんに予定変更、ハンドルは右旋回、工業団地の坂を登っていた。
併設の競技場で、サッカーの試合があったせいか、広い駐車場が満杯だ。
土地柄、季節柄、「栗」菓子屋さんの出品が多い。職人さん達が腕を振るったのだろう、菓子材料を使って出来た生け花やブーケの展示は見事である。
商売柄かみさんは買ったばかりの携帯で一生懸命写真を撮っている。
お茶と地酒を買う、試飲するとつい買ってしまう。
以前友人に頂いておいしかったお目当ての柿菓子は出していないようだ。
はち蜜が安かったので買ったが、帰ってから見ると中国産とある、がっかり。
柳生真吾さんのお話
さて。入場の際「柳生真吾トークショウ」なる切符を渡された、思いもかけずここで真吾さんの名を見たからには、素どうりは出来ない。
真吾さんには初夏の頃、妹達と5人で八ヶ岳倶楽部にお邪魔した際、花の写真を撮っているところを捕まえてサインをねだったり、記念写真にはいっていただいた。
旧知の仲である。
無論真吾さんは覚えていないだろうが。
栗きんとんにお抹茶の接待をおいしくいただいてから、会場の歌舞伎会館に入る。
拍手に迎えられて登場した真吾さんは若々しい。
これで4人の子持ちだという。
木はどうして紅葉するかにはじまって、
大好きなカタクリは春一番に咲く、
天然のランは下から見る、
父は昔毎日キャッチボールをしてくれた、
その売れなかった頃の父の「土方仕事は男の勲章」、
どんぐりの虫はハイイロチョッキ、
どんぐりは乾かさないですぐ蒔く、
おすすめは寄せ植え、
等々テレビで見るとおりの、ユーモラスで熱心で飾りっけのない話しぷリに時間を忘れて聞き入る。
おもいがけずいい時間を過ごすことが出来、三人とも満足して、いつもの蕎麦も温泉も素どうりして帰途についた。
- 作者: 柳生真吾
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