いつかあの頂へ

bufoの日記

ながわ楽農倶楽部

bufo2005-08-07

 蕎麦打ちにこっているかみさんが、かねて申し込んでいた蕎麦農園を訪ねる。


先週の種まき会に参加できなかったので心配していたのだが、野麦峠スキー場の少し先の農園管理事務所に着くと、すぐに案内してくださった。


乗鞍岳に向かって開けた畑の一角に、おぉ!わがBUFO農園に見事な蕎麦がしとなっている。まったく自分の手をかけた覚えがなくとも、これはちょっと感動ものである。


 突然おとづれた怠け者の農園主を、親切に、気さくに案内していただいたお二人にお礼を申し上げて、おいとまする。


 さて、まだ時間はたっぷり、折角だから奈川村(正確には合併後松本市奈川)を遊覧してみよう、とそのまま道を登ると、しばらくしてキャンプ場に突き当たった。池の周りに結構な数のテントが見える。

管理事務所でアイスクリームをなめていると、20センチくらいの山女魚を釣った親子がうれしそうに帰ってくる。
親子で夏の思い出を作るには格好の施設であるとみた。

富貴の湯


 山を降りて街道筋を走っていると、「秘湯 富貴の湯」なる看板が目に留まる。
農園の園長さんには、お勧めの温泉ということで、帰り道にあるスキー場下のあるペンションを教えていただいていたのだが、秘密、秘境、秘めごと、とにかく秘の字に弱いこちとら、そのまま乗鞍高原道路沿いの「富貴の湯」に車を止めた。


 このトップシーズン、駐車場に車が2台。
あまり盛況でないことは建物の外観からもそれと察せられるが、さて日帰り入浴料500円を払って入った温泉は、秘湯の名に違わずすばらしかった。
加温しているとはいえ掛け流しに近いそのお湯は、まったり、ほっこり、露天風呂から見上げる山の緑とあいまって、至極満足であった。

源流祭り

 峠を越えて、薮原に向かって走る。今朝、若い衆たちが櫓を組んでいるのを見て、「盆踊りだね」といいながら通り過ぎた処へ差し掛かると、まだ4時なのにもうなにかにぎやかに始まっているではないか。
何をおいてもお祭り大好きのこちとら、そのまま満杯の駐車場へ車を割り込ませる。


 常は市役所の駐車場だろう、ヘリポートマークのある広場に、真ん中におなじみの櫓、周りに張った17張りのテントには、村の人々がそれぞれ得意の物産、食べ物を並べて呼び込みに忙しい。ほおば飯、黄な粉もち、岩魚の塩焼きをいただく、美味。


 中学生の吹奏楽水戸黄門のテーマが始まると、なんと校長先生がそれをバックに歌いだした。
「じーんせい、らーくありゃ〜〜〜」
 これがまた結構な美声である。
学生時代コーラスで声を磨いたか、それとも村のカラオケバーで夜毎授業料を払ったか。
指揮をする美女の洒脱さと、真剣な女生徒の表情の取り合わせもほほえましい。


 次は、地元源流太鼓の面々、これも太鼓とくれば、「鼓童」の弟子を自認するこちとら、思わず身を乗り出して聞き入った。見事なアンサンブルである。
 とどめは、「ど祭り」!!


白い衣装のおばさんたち、赤い衣装のキッズ組。ソーラン節、木曾節、とこの2曲もかって櫓のうえで思いっきりばちを振ったこともあるこちとら、冷静に見ていられない、ついカメラを持って最前列でシャッターを切る。


 ここで、かみさんがいただいてきたトン汁をいただく、おぉ! うまい!!


 村人全員の手から放たれた色とりどりの風船が、茜色に染まった入道雲に吸い込まれるように、はるか安曇野の空に消えていった。

長野県木曽郡木祖村


 あっちでもこっちでも合併合併のご時世に、この村はなんと、自立自尊の道を選んだという。
宵山の端に早々と日が落ちて、涼しい風が吹き渡るこの広場で、村人皆さんが繰り広げる夏の夜のページェント「源流祭り」は、通りすがりの、縁もゆかりもないこちとらの心をも熱くするなにかがある。


 なんだろう、  伝統、しきたり、地縁血縁、先祖、ふるさと、こどもたち、未来、夢、希望・・・かれらをふるいたたせ、こちとらの胸を打つ、この「源流祭り」の源流はなんだろう。


 盆踊りはこれから本番だが、このあと木曽路を走らねばならん。



 かみさんとふたり、今までのどの盆踊りとも違う、すばらしい盆踊りにいささか興奮気味、最後に「源流の力水」をいただいて、夕暮れの山襞に花笠音頭が流れる木曽川源流の里をあとにした。


 いい一日だった。

 
来年は、泊りがけで来よう、きっと。