いつかあの頂へ

bufoの日記

サツキとメイの家

 を建てた大工さんたちのお話を聞いた。


 「近山スクール」藤岡先生の案内メールをいただいて、午後名工大へ向かう。


 先生の紹介でマイクを持った二人の大工さん、中村さん、、増田さん、ともに30台の若い棟梁である。


 まず中村さんがこの仕事を引き受けるにいたった経緯が面白い。


 中村さんはある保育園の子供たちの小屋作りを手伝ったことがある、その保育園の「シュタイナー教育」の教えのひとつに、子供たちが9歳になったら、「小屋作り体験」をさせようというのがあるのだそうだ。


2003年12月、そのとき同席していた父兄の一人、万博協会スタッフU氏から「スタジオジブリ」のこういう企画に協力してくれないか、と電話をもらったとき、それまで万博とは無縁な人だった中村さんは驚いたというが、宮崎監督の息子、宮崎吾朗氏の「昭和の普通の家、実際に住める家をつくりたい」という話を聞いて引き受ける。


 その席でたまたま名前が出た、中村さんの「大工塾」の仲間、伊那の富沢大工と宮崎氏が、信大林学科の先輩後輩に当たるという話も、縁というか、後に富沢氏は建前に駆けつける。


 きざみを任された増田棟梁と、集まった大工仲間、名づけて「五月組」の面々が、昭和10年の古い家を「新築」すべく、当時の平らでないガラス、三河の杉を初めもろもろの材料集め、エージング等々のいかにも楽しそうな苦闘の数々は、もっとゆっくり聞きたいところだが、2時間半たっぷり、たくさんの写真を見ながらの講演に、時間を忘れて聞き入った。


 万博開始前、2月の雪の日の朝、五月組の仲間の一人が駆けつけ撮ったという、雪景色の中に立つ「サツキとメイの家」のワンショットは、すがすがしく、誇らしげで印象に残った。


 わたしも「サツキとメイの家」を見に行きたくなった。


 先ほどのニュースで、今日の入場者なんと25万人だという。インタビューを受けたおかーさんが「えぇ、あんまり見なかったわねぇ、歩くばっか、並んどるばっかで」などと言っている。


 やっぱり「サツキとメイの家」は万博が終わってからにしよう。




http://www.expo2005.or.jp/jp/C0/C3/C3.9/C3.9.4/
http://www.kino-ie.net/genba_021.html

サツキとメイの家のつくり方」

 という本が、?ぴあ から出ています、「トトロ」ファンはもちろん、木の家に興味をお持ちの皆さんにも、おすすめの一冊です。