いつかあの頂へ

bufoの日記

ベートーベン『交響曲第九番合唱付』

 それは夏の終わりの一本の電話から始まった。


東京の北、新座市に住む義妹久子さんからである。


「ねえ、ねぇ、うちの合唱団でね、ドイツへ行くの。
ベルリンで第九を演奏するの、
私も行くの、すてきでしょう!」


 ケイタイを耳にあてたままかみさん絶句している。


 久子さんは新座の、かみさんは名古屋の、それぞれ『市民の第九合唱団』で去年初舞台を踏んだばかりである。


「義兄さんもまえから第九やってんでしょう、二人も一緒に行かない?」
行かない、と言われても・・・
「先生に頼んでみる・・・」


 速戦即決は久子さんの生まれもった性格である。
1週間もしないうちに、OKが出たという。


「ひょとしてオーディションなんて・・・」
「ない」
この催しの趣旨も内容もなーンも知らないうちに事は進む。
 

 むろん二人の名古屋市民に異論などあろうはずがなく、
え? ドイツで『第九』!
半信半疑の気持ちをちょっと横へ置いて、欣喜雀躍した事は言うまでもない。



 電話、FAXのやり取りをするうちにだんだん事の次第が明らかになってきた。


 新座市とベルリン北郊の『ノイルッピン市』とは姉妹都市で友好親善の行事交流を重ねて来た。


 昨年新座市の市制40周年記念に市内合唱団有志により『第九』を演奏したが、その時指揮をしたのが、ノイルッピン市在住の日本人指揮者浮ヶ谷孝夫氏である。


 浮ヶ谷氏は若くして渡欧し、フルート奏者の夫人とともに欧州の交響楽団と共演活躍する音楽家である。


 氏はまた豊橋市でも青少年の音楽教育に奉仕している。


 氏がこのたびノイルッピン市で『第九』を演奏するにあたり、新座、豊橋両市の合唱関係者に
「ドイツへ来て、一緒に歌いませんか」と声をかけた・・・・・


 と、ざっとこんないきさつがあったらしい。



 ともあれ、降ってわいたような、昨日までは想像もしていなかったこの話が、我々夫婦にとって、願ってもない、またとない『素敵な』話であることはすぐにわかる。


 残り少ない人生に、二度とないチャンスであることは明白だ。


 「行くか」
 「連れてってもらいましょうか」


 カレンダーの11月のページ、1日〜9日に赤いマジックで書きこんだ、


『ドイツ ノイルッピン 第九』









 以下、順次編集中ですが、このはてな日記は日付の新しい記事が一番上に表示されます。
 ドイツへ出発した、11月1日の記事はこちらです。
成田 ヘルシンキ ベルリン - いつかあの頂へ
『次の日』という文字をクリックして読みすすんでください。



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この旅に関連するすばらしい記事をご紹介します。

http://www.city.niiza.lg.jp/soshiki/21/noiruppin-photo.html


ノイルッピン市のホームページ  クリック
http://www.neuruppin.de/


小林久仁夫氏の「ドイツレポート」  クリック
http://www.nikiya.co.jp/img/info/pdf/Deutschland_Report.pdf


指揮者 浮ヶ谷孝夫 : 前から後ろから!


/http://blog.zaq.ne.jp/Kazemachi2/article/444/