いつかあの頂へ

bufoの日記

 なべくら高原森の家http://www.iiyama-catv.ne.jp/~morinoie/

bufo2005-10-29


 おもしろいHPをみつけて「そばオーナー」入会のメールを打ったのがこの春のこと。
かみさんが蕎麦打ちに興味を持ち始めた頃である。


 種まき、草刈、刈り入れ、蕎麦打ちと、ひととうり体験できそうなシステムらしいが、結局「おらが畑さ」へ出かけるのは今度が初めてになってしまった。
その間、畑の世話は森の家のスタッフの皆さんにまかせっきりであった。


 さていざ出かけるとなると、半端な距離ではない。
いままで志賀高原、黒姫へはスキー、ドライブで行ったことがあるが、飯山、鍋倉はその先である。

10月29日(土)午前0時 我が家出発

 このところ走り慣れた木曽路を北上する。



・AM3:00 塩尻ICで高速に乗る。
・AM3:30〜5:43 あずみのSA 休憩
・AM7:32 豊田飯山IC 上信越自動車道を降りて R117を西へ R409を北へ 飯山市 戸刈温泉方面
・AM8:00 この時間、旅の疲れを流す温泉はと、戸刈、湯滝温泉をさまようがいずれも10時から、地図で近くに野沢温泉があるのに気がついて千曲川を渡る。


さすが天下の名泉、終日無料、かけ流しのお湯がいくつもある。
駐車場のおねぇさんお勧めの「大湯」に入る。
いいお湯だ。かみさんは「腱鞘炎の痛みが消えたみたい」という。



野沢温泉 大湯



 すっかり疲れがとれたところで、つぎは朝食、すぐ隣で準備中の店をのぞくと愛想よく迎え入れてくれた。
そばがき、草もち、おやきを所望。
「どうぞ」とすすめてくれた野沢菜が美味しい。


漬けはじめなのだそうな。そぅここは本場やで。
中で立ち働くみなさん、結構なお年と見たが、明るく元気そうだ。
じいさん、ばぁさんがやってるから、お店の名前が「じばさん」なんかしらとかみさんが言う。
地場産だろ、と応えたが確かめることもしなかった。



・AM11:00 さて時刻もよし、と「森の家」をめざすが案内板を見落として山道へはいってしまった。


ところが進むうちに景色がどんどん良くなる。
あらわれた池の周りは見事な紅葉だ。ススキの原が美しい。


ままよとそのまま登ると見晴らしのいい稜線上に出た。
ここは新潟県境、眼下に「光が原牧場」が広がる。


残念ながら今日は日本海は見えない。
「道に迷ってよかったわねぇ」といいながら来た道を下る。


高原の秋

 
・ pm1:05 やっと「なべくら高原 森の家」到着。


 じつのところ、ホームページの調子から、ちょっとやる気の農家のおじさんの副業程度のイメージだった。


ところが今日初めて訪れて、立派なセンターハウスの玄関を入ったとたんこの先入観はひっくり返った。


ロビーでわれわれを迎えてくれた美女の笑顔がなんとも魅力的で、家内と交わす会話も爽やかに心地よかった。
今日まで何度もメールをもらっていたが、その「メルトモ」が目の前の美女、戸川さんだったのだ。


次々玄関を入ってくる人々に声をかける彼女を見ていて、いい接客してるなぁ、とつい感心してしまう。


 初めて知ったのだが、この「森の家」は第三セクターによる村おこし施設なのだそうだ。


それにしてはここのスタッフの接客振りは一流ホテル顔負け、役人離れしている。見事である。


だからこそまた遥か東京の人々を呼ぶことができるのだろうが。


 にぎやかなロビーで美味しいコーヒー、パンをいただきながらチェックインを待つ。


ストーブの横の本棚に並ぶたくさんの本は時間があったらいつまでも読んでいたいような本ばかり。吹き抜けの天井から下がる和紙のオブジェも面白い。


 今宵の宿はロッジ貸切


 周りの森を散歩する。


10棟ぐらいか、ロッジの間を抜けると自然林へ入る。


そんなに広くはないのに、林相がそれぞれまとまって、次々変わっていくのが面白い。


小道の舗装にチップが敷かれている。
滑らず、ぬかるまず、やわらかで歩きやすい。

帰り道、ちょっと迷いかけたが、なに、迷ったところでたいしたこともない、野暮ったい道標をあちこちおったてられるより、何にもないほうがよほどいい。


自然がいい、自然がほしくて、はるばる300キロのみちのりをやってきたんやからね。


 ロッジには自炊装置も完備だが、今夜は湯滝温泉での食事を予約してあった。


温泉付き3000円の予算、ちょっと期待していなかったのだが、これがまた予想を裏切るデラックス版、露天風呂良し、料理また良し。ちょー満足。


 森の家からの迎えの車を運転してきてくれたのが、なんともう一人の美人スタッフ、水野さんである。


千曲川から登る山道で彼女が叫んだ、「あっ、たぬき」 一瞬にして石垣の陰に消えた狸君のことは、水野さんの素敵な笑顔とともに一生忘れないだろう。

10月30日(日) そば収穫


・AM 6:20 野沢温泉・朝市へ向かう。


 きのうの大湯あたりに、30軒ほど店が出ている。
浴衣姿の客も結構出ている。かみさんが期待していた採りたての野菜は、あんまり出ていない。いささかひょうしぬけ。
それでも美味しそうな地場産を買い求める。


一軒だけあいていた喫茶店へ入る。トニーザイラーや、小澤征爾のサインを拝見し、モーツァルトを聴きながらいただく早朝カフェもまた乙なものだ。(ママの愛想なしがちょっとね。)


・AM10:00 総勢100人余のそば刈り隊集合、木村所長、そば爺のご挨拶の後、森の道を蕎麦畑に向かう。


「くれぐれも親指を切らないように」と所長さんのご注意の後、いよいよ鎌を持って畑に散った。

ところがここで夏の草刈をサボった報いがはっきり目の前にあった。

どれが蕎麦やら、雑草やら、仲良く混じり合ってほとんど見分けがつかない。


呆然と突っ立っていると、きらめくような笑顔で戸川さんが声をかけてくれる「いかがですか、だいじょうぶですかぁ」  思わず応えたねぇ「宝探し、たのしぃでーす」 
隣の親子連れにうけてました。



 慣れてくるとなんとなくコツがわかってきた。
上から見ていてはわからんかったのが、雑草を押し分けて根っこを覗いてみると、黄色っぽい根っこが数本まとまって生えている。


コレぞ、蕎麦なんや、とまとめて親指を上に(これがかんじん)わしづかみにする。

まわりの雑草もろともさっと切り払う。


やったでぇ!
ぐっとさしあげる左手の先に、「マイ・そばの実」が燦然と輝いている。
 小雨パラパラのなか、お百姓さんのご苦労をしのびながら苦闘1時間、それでも五把ほどの収穫が出来た。


 野良仕事に精を出した後のお昼はたのしい。
蕎麦会席弁当もうまかったが、きのこ汁は絶品であった。


おもわずおかわりをした。
うまい!!

pm2:00 蕎麦打ち入門


 温厚な風貌の丸山先生のご指導で蕎麦打ち体験。


水まわし、練り、へそだし。先生は6組を順に回って注意。
丸出し、四つ出し、本のし。
かみさん必死、こっちはもっぱら応援団。
肝心なところは先生がやってくださって、たたむ、切る。




ゆで方も大事だ、みんな熱心に見つめる。



 マイ・手打ち蕎麦の味は格別だ。
みんなうれしそうに、和やかに食べている。


 このあと先生お手打ちの蕎麦をいただく。


あれ、なんでこんなに味が違うの?この食感のちがいはなに? 
一緒に打ったそばなのに? 
先生、にこにこながめていらっしゃる。


おいしい!!

  

pm4:13 さらば、なべくら高原


 すてきなスタッフの皆さんにお別れして、帰途につく。
すっごく楽しい連休でした、ありがとう!!!



・pm4:32 湯滝橋を渡って   R117号へ しばらく千曲川右岸をゆく
・pm5:46 長野市街 バイパスで R19号線へ あとは我が家まで一本道


・pm7:54 安曇野市 いつのまにか峠を越えて 新しい市標が新鮮だ
・pm8:07 松本市  このあたりの蕎麦屋さんも魅力的だが 今日は素通り


・pm8:31 塩尻市
・pm9:12 鳥居トンネル 是より木曽路


・pm10:21 中津川市
・pm11:50 我が家  48時間、しめて660キロの旅でした。

 

『なべくら高原・森の家』 またいつか行きたいなぁ

戸川さん、水野さん、そして、おじぃ おげんきで!!!