いつかあの頂へ

bufoの日記

早月尾根

早月尾根・番場島にて

 むかし、山岳部長加倉井先生が部報に投稿された『妻と白山へ』という一文が、若い部員たちがたむろする部室に、一陣の爽風を呼びこんだあの日のことを思い出す。
 若き日、本場アルプスで鳴らした先生にとって、夏の白山は散歩程度であったろうが、おそらくあまり機会のなかったであろう奥様との山行の顛末をつづる文章の、どこかほほえましい筆致に、ドイツ語教室での先生とはまた違ったお人柄を読み取ったからだろうか。将来妻を娶らばともに山へ登ろう、とそのとき同期の部員たちの胸に同じ思いが宿ったことは間違いない。

 長い梅雨が明けた3日、思い立って山道具を車に積んだ。
出発直前に決めた目的地は、「早月尾根」である。

以下工事中、近日続編をつづります。