いつかあの頂へ

bufoの日記

ワグネル 名古屋特別演奏会

 正しくは、慶応義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団』
名古屋公演の記事を見て、幹事さんに電話したがあいにくつながらず、
なに当日券もあるだろうと、県芸コンサートホールへ向かう。

 合唱は近場で聴くべしを旨とするbufoは、4列目の席を選ぶ。
席に向かっていると、横から声がかかって振り向くと、
なんとISO'夫人がにこにことこちらに手を振っている。
彼女も岡崎の合唱団で楽しんでいると聞いていたが、
今日出演の学生の家族と知り合いだとか、数人のグループできているという。

 ワグネルにしろ、早稲グリにしろ、大昔全日本合唱コンクールで聞いた覚えはあるが、
こうして発表会を身近に聞くのは初めてだ。

 開幕前にいきなり慶応の学生歌、
ずんと腹に響くハーモニーは、これぞ男声合唱、とうれしくなる。


 シベリウス男声合唱曲集』

 『ワグネル愛唱曲集』
 
 「ソーラン節」の雄渾なリズム、ハーモニー…
 上を向いて歩こう
 見上げてごらん夜の星を
  九ちゃんの2曲は、我が男爵コーラスでも目下練習中だが、
  なんせ次元が違う、うっとり聞き惚れるばかり、

 「月光とピエロ」
  この曲ばかりは、bufoもつい唇が動いてしまう。
  
  50余年前、大阪中之島公会堂でコンクールの課題曲としてこの曲を歌った。
  成績発表で、5番目に名前を呼ばれ、仲間たちが飛び上がって大喜びした。
  周囲の他団の人たちが怪訝な顔でこちらを見ていた、
  なんせ、6校中の5位なのだ。なんだこいつら・・・・
  実は万年6位の中部勢、我が名大男声が5位!の声を聞いたのはその時が初めてだった。

  そんな若き日を思い浮かべながら懐かしいメロディーに酔う。
  男声合唱の熱いハーモニーを体いっぱいに浴びて・・・・

 賛助出演の愛知県立芸術大学混声合唱団』のステージも素晴らしい。
それもそのはず「合唱クラス」という授業で学ぶ、いわばプロ集団。
3曲目の
  「Barber作曲 Agnus Dei」が始まってびっくり、
 このメロディー!! 
 あの「弦楽のためのアダージョ」合唱版、なのだ。
 ピアニッシモで流れる、この旋律の美しさ!

  ワグネルのメインステージ
 名曲さすらう若人の歌にうっとり耳傾ける。
 至福の時間。

  最後は2団合同ステージ。

  「落葉松」
   終戦直後の軽井沢で、詩人野上彰が遺した遺作を、小林秀雄が、
  『波の会 野上彰追悼』コンサートのために書きあげたという。
  いつまでも歌い継がれるだろう名曲だ。
  女声のメロディーラインと、男声のハーモニーが混然一体、
  bufoは、初めて混声合唱の素晴らしさに触れた気がした。

 アンコールのbufoの知らない慶応応援歌に場内が沸く。
 男声合唱を心行くまで味わった、ひと時ではあった。

 ロビーに出ると、近頃流行りの驟雨に、栄の街がぬれていた。