いつかあの頂へ

bufoの日記

円頓寺商店街郡上踊り大会

 名古屋では由緒ある商店街円頓寺商店街
一夜限りの盆踊りが催されると聞き、かみさんと待ち合わせて夕暮れ地下鉄に乗る。

 少し早く着いたので、お隣の『四間道』を散歩する。
大空襲にも耐えて残った、風情ある街並み、まぁほかにはなーンもない街並みだが、
ふと、面白そうな品ぞろえの店が目に入った。
『四間道ガラス館』とある。
「こんにちはぁ、ちょっと見せてください」
細かい、かわいらしい、手の込んだ、美しい、
色彩豊かな小物たちが、所狭しと並んで迎えてくれる。

 「江戸切子」のいちばんうえのたなの、
かわいいおちょこに、かみさん目をとめる。
「わぁいい!」
「お酒がおいしくなりますよね」とこれは店のおかみさんの合いの手。
「ネぇ、私のお誕生祝いに買ってくれる?!」
かみさんの誕生日は四月だと知らないおかみさん、にこにこしてみてる。

 いい店だ。

 『丸小』という肉屋の店の前に人が並んでいる。
ちょっとおなかがすいている、
近所の人が並ぶくらいだからきっとうまいに違いない、
コロッケ2つ、ひれかつ2コ

 櫓下の郡上名物屋台で、白酒を一杯、
奥のテーブルで立ち飲み、立ち食い。
揚げたてのコロッケに、銘酒『郡上踊』はピッタリ!
ためし酒、お代わり!!

 日ごろはご多分にもれずすっかりシャッター街だが、
今宵はなんと浴衣姿の娘さん、おばさんが三々五々集まってくる。
お囃子が流れると屋形の周りはいっぱいの人。

「かわさき」

「三百」

「春駒」

「やっちく」・・・

 リズムが違う、表情豊かな10曲が次々と進むのは、
郡上踊りの特徴であり、人々に愛されるゆえんだ。

 曲が進むにつれ人波が膨れ、踊りの輪が広がる。
休む間もなく歌い継ぐお囃子も素晴らしい。
本場郡上から名人上手が大挙応援に駆けつけているらしい。

 中にかわいい子供が2,3人、
踊りの輪の中を飛ぶように踊りながら走り回って、大人たちをはやしたてている、
その真剣なまなざし、はじけるような姿に思わず笑ってしまう、
彼ら、彼女らも、高校生になるころには、いっぱしの踊り手になるだろう。
いや、今夜、もうすっかり郡上を背負って踊っている。

 bufoは本場郡上踊りに4回行ったことがある。
今夜も郡上では始まっているだろう、納めの徹夜踊りに、
ハンズの仲間を誘って、高山の木工所を訪ねた帰りに踊ったこともある。
踊りが果てて、なんて言ったっけ、
御本家まで提灯を先頭に踊りながら帰ってゆく、
あのゆったりと、少しさびしい、
郡上の街の一夜が懐かしい。

 前の列で素敵な浴衣で身ぶりやさしく踊っている女性に声をかける、
「なんか、下駄の音がいいですねぇ、郡上よりよく響く}
「そう、ほら、このアーケード」と上を差す。
「なぁるほど・・・」
「おかげで暑いんですけどね」とにっこり。
こんな素敵な踊り手に会えるのもまた楽しい。

 たけなわの、踊りの輪を抜けて、
すっかり汗びっしょりで地下鉄に乗る。