いつかあの頂へ

bufoの日記

桂離宮


 朝、人影まばらな渡月橋をわたって、桜を見上げながら阪急嵐山駅へ。
思ったより早く桂駅に着く。
道をたづねながら歩くのだが観光地の面影がどこにもない、普通の住宅街、考えてみれば、天皇家の別荘はしもじものみなが押し寄せる見世物じゃないんだね。


 桂大橋のたもとにやっと一軒餅菓子屋さんがある。
中村軒」の店員さんの、「どうぞごゆっくり」の言葉に甘えて、座敷へ上がっておうすと「むぎてもち」を所望する。

もうすぐ、端午の節句、見事な五段飾りを鑑賞しながら味わう。


 11時、そこここに立つ警備員の姿にちょっと緊張しながら、いよいよ拝観。
桂川の水を引いて造られたという池を巡って、お堂、茶亭がいくつもある。



月波楼、松琴亭、園林堂、笑意軒・・・・
あべまきの柱、竹の縁、竈、丸窓、畳石、燈籠・・・


目をやるところすべてがすばらしい。


 いにしえの大宮びとは、船を出しては、橋をくぐり、周りの木々に季節の移り変わりをめでながら茶をあじわったのだろう。



 この日本の伝統美をもっとゆっくり時間をかけて鑑賞したいという思いとともに、17世紀、織豊の動乱期にこんな壮大な事業が成し遂げられたことに不思議な思いを禁じえない。


 あっという間の1時間であった。
穂垣、笹垣の整然とした門を出ても、しばらく夢心地であった。

平安神宮

 満員のバスに揺られて市街を横断して東山へ。
大鳥居前の「今昔」で湯豆腐をいただく。


疎水にかかる桜はここでも満開、ウィークデイというにすごい人出だ。


参拝もそこそこに500円を払ってお庭へ。

 いろいろの種類の桜の古木が今を盛りと咲き誇る中に、つつじの赤をはじめ白、黄色の花々、周りの木々の新緑とあいまって、絢爛豪華、春の競演である。


嵐山、桂離宮とは一味違う日本の春がここにはあった。


 ちょっと疲れ気味で京都駅に着いた我々を、青木さんのお姉さん夫婦が待っていてくださった。


なんと大徳寺さん門前の名物の豆腐をお土産にとお持ちくださったのだ。
おそらくは朝から並んで買い求めていただいたものなのであろう。


 ありがたい、京都の人の、温かいお心に感謝しながら、新幹線の席についた。



http://sankan.kunaicho.go.jp/guide/katsura.html
http://www.kyoto-ranzan.jp/