いつかあの頂へ

bufoの日記

富士山

 快晴である。日本全国お日さまマーク。


からまつの落ち葉をいっぱいかぶったちゃおくんちの屋根にやさしい朝陽が差している。


 三分一湧水からあおぞら農園への道々、甲斐駒が大きくみごとだ。北岳がおそまきながら雪化粧したようだ。

 甲府盆地のかなたに新雪の富士山が輝いている。


5月に八ヶ岳歩こう会」の皆さんと御坂峠「旧鎌倉往還」を歩いた。
いにしえの街道を歩きながら、いろんな花の名前を教えていただいた。
だが残念ながら、お目当ての富士は雲に隠れたままだった。


 今日は、あの富士山を目指す。
 『凱風富士』と向き合おう。




 御坂峠のトンネルを抜けて、天下茶屋の店先に車を停めさせていただく。
大泉のペンション『山旅』の長沢さんに聞いていたご主人に挨拶。親切に案内していただく。


 『富士には 月見草が よくにあう』

 太宰治の碑を過ぎて旧往還御坂峠を目指す。


30分ぐらい歩いたところで、樹林がぱっと開けた。
「やったぁ、河口湖の富士山だ!」


 絶景を前に、うれしそうに画帳を開いたにわか画伯さん、さて傑作はできましたか。









 茶屋へ降りて夕昏を待つ。
 「雲がないからまぁこんなところだよ」
天下茶屋のご主人の言葉に、帰りの時間が来たことを知った。


こんなにひとつの山に向き合ったのは久しぶりのこと。

 「赤富士」には程遠いが
いいんだ、ほんのり薄紅をさした富士山もすてたもんじゃない。

 帰途、韮崎の「白山温泉」で一日の疲れを癒した。
いい湯だった。